『バッカ』は唐突に吉井氏の声からスタートする導入部分がインパクト大です。吉井氏の声が真直ぐ耳の一番奥に響いて、あっという間にエモーショナルな曲の世界観に引き込まれるでしょう。バックには綺麗なピアノが控えめに流れ、孤独感を詰めに詰め込んだ歌声にぴったり優しく寄り添っています。吉井氏の声にどっぷり浸れるアレンジが嬉しいですね。続いてBメロでビートがジョイン。少し明るめの歌謡曲的コード感が余計に孤独とか寒い冬の雪道を想起させます。「ドンチュー、リーブミ―」の部分は、思わず吉井氏に続いて合いの手コーラスを入れたくなること必須でしょう。サビの部分は、雪が舞い降りてくる情景を彷彿させ、胸を締め付けるような哀愁がババーン！ババババーン！と表現されています。それでいて韻踏み言葉遊びを忘れない余裕ぶり。タイトルの『バッカ』もここで解決。伏線回収にシビれます。こういう部分がセクシーな吉井節といったところでしょう。

Mai Natsuki

吉井和哉『バッカ』をリピート